イチローの偉業達成の裏に素晴らしき人達あり

日米通算4000本の安打を放ったイチロー選手に心から「おめでとう」と言いたい。
 
 日本プロ野球(オリックス)界で1278本、大リーグで2722本の合計4000本の安打を放ち、大リーグの一流選手であるピートローズ(4256本)に迫る記録達成である。
 大リーグだけの記録ではないのだが、それでも偉業であることには変わりはないと思う。

 そこで、小生が2009年4月18日にUPしたブログの内容を今一度紹介したいと思う。
 タイトルは「イチローの偉業達成の裏に素晴らしき人あり」としている。

 【イチローに関しての著書は数多く出版されているが、それによるとイチローを取り巻いている人々が素晴らしかったといえる。
 もの心ついた時から野球を教えた父親宣行氏、中学校時代の橋本伊佐美氏、その中学校時代の練習試合をたまたま見て「こんなすごい子供がいるのか」とビックリした水野恭佑氏。
 (この水野恭佑氏が愛工大名電の出身であったから、イチローが入学することになった人物である)

 名電高校に入学したときの野球部監督が、テレビで報道されている中村豪氏である。
 中村監督は、選手の個性を十分生かして育てる野球をする監督でもあったらしい。
 
 イチローはプロ野球選手になるのが目標でそれに向って一散に走りぬけた選手である。
 こと野球に関しては信念をもち、子供時代から築き上げてきた「打撃ホーム」だけは誰が何と云おうと曲げない頑固さをもっているらしい。
 しかし他の勉学等については素直さも持ち合わせているらしい。
 例えば、中村監督が中学校時代のイチローにアドバイスしたことがあり「野球選手は、野球以外の知識も必要であるから中学校最後の学期は、良い成績を取っていた方が良い」といわれると、イチローは猛然と勉強をし、優秀な成績を上げたとも云われている。

 高校時代は、中村監督が指導するわけであるが、この監督は選手を型にはめるのが大嫌いな人で、自由奔放にやらせるタイプであった。
 このめぐり合わせがイチローの運命を決めたといっても良い。
 イチローは人に言われるのを極端に嫌うタイプであるが故に中村監督に付いて行ったものと思われる。
 中村監督は一つだけ持論を持っていたといわれる。
 それは、積極性であったという。
 空振り三振なら何にも言わないが、見送り三振でベンチへ帰ってくると即選手を交代させたそうである。
 高校時代イチローはノビノビと野球をやり技術を磨いていったが、2年生のときに良い人との接点があった。
 
 当時オリックスの編集部(スカウト)であった三輪田勝利氏である。
 三輪田氏によると、野球選手としてその素質を認めていたが、確信に替わったのはイチロー3年の時であった。
 バッティングセンスは素晴らしいものがあり、試合中3塁打を放って走るその姿(バランス)の良さに唸ったそうである。
 走るバランスが良いということは、野球センスも抜群であるという事だと述べているのである。
三輪田氏はオリックスの編集部長に、ぜひ欲しい選手であると報告したそうである。

 そして運命のドラフト会議が始まる。
 平成3年(1991)のドラフト会議で、イチローは4位で指名されたのであるが、イチローは地元の中日ドラゴンズを希望していた。
 しかし中日は、イチローを投手として見ていたため線が細いとして指名しなかった。
 オリックスは3位で指名するつもりで居たが、他に投手がいるとして3位指名にはならなかった。
 三輪田氏は他の球団が指名するだろうと思っていたところ、どこも指名する球団がなく競合することなく4位で単独指名したのである。
 これも後のイチローを思えば運命だろう。

 オリックスでも理解者が存在したのである。
 2軍でバッティングコーチだった河村健一郎氏である。
 彼は、イチローのバッティングの良き理解者であった。
 ミートは上手いが非力であったため、過酷なメニューを与えたそうである。
 河村氏は4日位で音を上げるだろうと思っていたところ、4日過ぎてもケロッとしていたそうで、基礎体力ができていることを認めたそうである。
 (勿論、イチロー自身のプロ野球選手になりたいと思う気持ちが日ごろの練習を支えていたことは否めない)

 バッティングセンスの良さを知った河村氏はイチローを何かにつけ庇い擁護している。
 例えば、オリックスの他のコーチは「イチローはスイングをした時、ヘッドが下がる」という意見が出たとき、河村氏は「イチローのバットは遅れて出ているが、最後にヘッドが立っている」と擁護したがなかなか理解して貰えなかったと述懐している。

 河村氏は「最後にヘッドが立つということは、打者として最高の技術である」と言っており、イチローは入団当初からその技術を会得していたことになり、それを見抜いた河村氏の眼力もたいしたものである。

 イチローは2軍で活躍し、7月に1軍に上がるが直ぐ2軍に落された。
 河村氏は戻ってきたイチローを見てビックリしたそうである。
 それはフォームがボロボロになってイチローの面影が全くなかったそうである。
 ちなみにその時の1軍監督が土井正三である。
 イチローは入団1年目で2軍で首位打者を獲得している。 

 2年目は最初1軍からスタートしたが結果が出ず、直ぐに2軍に落されることになる。
 その年は3度も1軍と2軍を往復したそうである。
 1軍に上がるとフォームをつつかれ、崩しては2軍に降ろされることが続き、ついにイチローは中村監督に電話し「もう1軍に行きたくない」と泣いたそうである。
 それでも自分の打撃フォームを変えなかったのである。

 土井は巨人V9時代の二塁手であるが、あまりにもイチローを型にはめ込もうとしたきらいがある。
 善意で矯正しようとしたのであろうが、イチローの特徴を見抜けなかったのは監督としての器ではなかったのであろう。
 イチローの中での土井正三は口に出したくない名前であることは間違いのないところであろうが、唯一マイナスの人間関係であるに違いない。
 イチロー本人は決して漏らさないと思うので小生が変わりに述べておきたい。
 土井監督が後1年オリックスの監督であったならば、イチローはオリックスに残れていたか疑問である。
 ヒョットすると首になっていたかもしれないのである。
 
 河村氏が素晴らしいことを言っているが、この言葉は含蓄ある内容なので紹介しよう。
 それは「イチロー本人を百と見ると、イチローの8割は長所なんです。残りの2割は短所ですね。1軍のコーチはその2割の短所を直させようと懸命になる。ところが、その2割の短所を直そうとするあまり、8割の長所がなくなってくる。僕はむしろイチローの8割の長所をもっと多くするにはどうしたら良いかを考えたんです」
 ということである。
 これは一般社会の中でも通用するのではと思う。
 人間の性(さが)と言ってしまえばそれまでであるが、会社員が10の力量が必要である場合、A社員は8割は誰にも負けないだけの実力があるが、2割は他の社員に比べ見劣りする。
 こういった時、多く存在する上司がいる。
 長所である8割を認めようとせず、2割の欠点をトコトン追求し「ダメ社員」のレッテルを貼り、結局A社員を潰してしまう上司である。
 その社員の良いところを伸ばす努力はせず、欠点を大きく取り上げて潰す上司がいかに多いか……。

 まさに土井正三がそうであったのであるが、危ういところで女神が微笑んだのである。
 
 そして運命の人、仰木監督と新井コーチに出会うのである。
 イチロー3年目の年に、オリックスの人事が刷新され、監督に故仰木彬氏1軍の打撃コーチに新井宏昌氏(現広島カープコーチ)が就いたのである。
 運命の出会いである。
 土井正三監督存続であれば絶対に現在のイチローは誕生していなかったと断言できるし、そういう意味からも運命の悪戯といっては語弊があるが、奇跡の出会いである。

 仰木監督が就任した秋のキャンプで、直ぐに河村氏がイチローのことを直言したそうである。
 「2軍に物凄い選手がいます。来年は1番バッターで泣くことはありません」と……。

 仰木監督は河村コーチを信用し、翌年は1軍スタートとなったが、仰木監督はイチローの練習を見て「何でこんなセンスの良い選手が2軍でくすぶっていたのか」と言ったそうである。
 仰木監督は、選手の特性を伸ばすことから、名伯楽で知られている人であったのである。
 本名は「鈴木一朗」であったが、オリックスの地味さが気になっていたのか、仰木監督は鈴木一朗を「イチロー」
佐藤和弘選手を「パンチ」と登録名を変えたことでも有名である。

 そして新井宏昌コーチの出会いである。
 「イチロー」と改称させたのは新井コーチの進言があったからともいわれているが、この新井コーチもイチローにとっては素晴らしいコーチであった。
 新井コーチは「自分の知っていることはすべて教える。皆はそれが自分に合っていると思えば取り入れて欲しい」という教え方をするコーチであった。
 新井コーチはイチローに対してただひと言忠告している「打席に立ったら、当てにいかないでフルスイングして帰ってこい。結果が悪くても、そうすればどこが悪いのかわかる」と言ったそうである。
 これが後のイチローの礎になっているものと思われる節があるのでは…。

 土井監督時代のコーチとは雲泥の差である。

 その年イチローは、それまで新井コーチが持っていた年間最多安打の記録(184)をあっさりと更新する働きをし、210本という新記録を打ち立てるのである。

 その後の活躍はご存知のとおりであるが、人の一生には様々な人々が混ざり合うが、やはり良き人との関わりがあってこその人生ではある。】

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