産経新聞・阿比留瑠比氏の極言御免 世論を強いる新聞

8/20産経新聞【阿比留瑠比の極言御免】
いまだに世論を強いる新聞
倍晋三首相が17日に日帰りの人間ドックを受診したことで、マスコミや永田町は大騒ぎである。首相は19日には公務に戻り、記者団に「再び仕事に復帰して、頑張っていきたい」と語ったが、かなり以前から疲労が蓄積している様子は見てとれた。

 現在、65歳の安倍首相は新型コロナウイルス感染症への対応で、今年1月26日から6月20日までの147日間、公務のない休日を取っていなかった。日程上は人に会ったり、会議に出席したりする場面が少ない日はあるが、それでものんびりリラックスして過ごせたわけではないだろう。

「失政」の空気作る

肉体的疲労ばかりではない。なかなか正確の見えてこない未知のウイルスとの戦いを担う重圧の中で、国民の不満や不安をぶつける対象とされるのも、さぞやしんどいことだろう。新聞もテレビも、とにかく安倍政権のやることなすことだめだと責め立ててきた。
 「どの新聞もどの新聞も、まるで相談したように反吉田になつてゐる」「こんなにやっきになって罵詈雑言を浴びせかけなくてもよさそうなものだ」
 これは、劇作家で評論家の福田恆存(つねのり)氏が昭和30年に発表した論文『輿論(よろん)を強ひる新聞』で、当時の新聞による吉田茂首相糾弾をいぶかった言葉だが、今の安倍首相にも当てはまる。
 実際、緊急事態宣言解除後に地元に帰った国会議員の中には、支持者らの安倍政権を見る目が厳しくなっているのを感じたという者も少なくない。
 だが、それはマスコミが感情に訴えて国民の怒りや不安をあおり、コロナ禍は安倍政権の失政であるかのような気分、空気を作り出したためではないか。
 政治は結果だとよくいわれる。新型コロナ感染症による死者数はそれぞれ米国で17万人、英国で4万人、フランスで3万人、ドイツで9千人を超えているのに対し、日本ははるかに少ない1100人台で踏みとどまっている。
 今年4~6月間の国内総生産(GDP)は年率換算で27.8%減となったが、これとて欧米に比べればましである。同じ時期に英国は59.8%減、米国は32.9%減だった。

65年前からの悪習

 にもかかわらず、マスコミはやれコロナ対策はドイツに見習えだとか米ニューヨーク州のコロナ封じ込めは奏功しいいるだとか報じたがり、それに比べて日本政府は迷走しているなどと決めつける。東京都をはじめ地方自治体の失策も、ただちに政府の責任へとすり替えてしまう。
 そして、野党の見せ場をつくるだけで不毛だと容易に想像がつく臨時国会をを開かないのはけしからんと書き立て、疲れがたまった安倍首相に頻繁に記者会見を開けと求める。あまつさえ質問がある限り時間無制限に質疑応答を行えと、歴代首相の誰にも要求したことのない無理を強いる。
 福田氏の以下の文章を読むと、マスコミの悪習は65年前から変わっていないと反省するほかない。「くりかえしくりかえし唱えつづけることによつて、さういう(国民に飽かれ憎まれてる吉田という)雰囲気を醸成しようといふわけです。いはば吉田首相と国民との関係を断ち切ろうとする離間策にほかなりません。どんな恋人どうしでも、相手の悪口を始終友人たちの口から注ぎこまれれば、ときには相手を疑うやうになるでせう」
 福田氏は最後に「記者諸氏の自重を望む」と書いているが、残念ながらその望みは全くかなっていない。(論説委員兼政治部編集委員) 


産経・阿比留瑠比.JPG

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